受賞・表彰

日本スポーツ整形外科学会 2023 Best poster

石橋 恭太

この度2023年6月29日から7月1日に広島で開催された、第1回日本スポーツ整形外科学会(前JOSSM、JOSKAS)においてBest poster賞を受賞いたしましたのでご報告させて頂きます。
私の演題は「シングルセルRNAシーケンスによるマウス内側側副靱帯の加齢性変化の解析」です。靭帯などの運動器組織に加齢性変化が生じることは、臨床の場において明らかですが、詳細な遺伝子や細胞分布の変化に関しては解明されていないのが現状です。そこで本研究ではシングルセル解析を用い、マウスMCLの加齢性変化を検討しました。10、100週齢の野生型マウスのMCL細胞の単一細胞レベルの遺伝子発現の違いを比較しました。シングルセル解析より得られた線維芽細胞集団は、Collagen遺伝子の発現パターンの違いから3つの亜集団(Col12a1, Col14a1, Col22a1)に分類され、既存のtendon stem progenitor cell marker (Tppp3, PDGFRa, Lama4)などといったマーカーを強く発現するCol14a1+細胞の割合は、加齢に伴い減少しておりました。更にDEG解析の結果から、Col12a1, Col14a1+細胞では加齢に伴い、Col1a1やSparcなどの細胞外マトリックスを構成、調整する遺伝子の発現が減少しておりました。これらの加齢性変化が靭帯の恒常性、強度の低下につながるのではないかと推察されます。
今回の受賞にあたり研究、発表のご指導をしていただいた弘前大学スポーツGの先生方に心より感謝申し上げます。また本結果は私が大阪大学再生誘導医学寄付講座に留学していた際の研究であり、玉井教授を始めとする研究指導に関わっていただいた先生方にもこの場をお借りして深謝いたします。

日本スポーツ整形外科学会 2023  Best poster

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