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診療案内:関節グループ紹介

関節グループ紹介

関節グループは石橋 恭之、山本 祐司、大石 和生、一戸 雅之の4名が主な診療を行っております。リウマチ外来は田中 大が主に診療を行っております。変形性関節症や関節リウマチを中心とする関節疾患の診療(手術的治療、リハビリテーション、薬物療法など)を担当します。また、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)など小児股関節疾患についても診療しております。手術では変形性股関節症や関節リウマチに対して人工股関節全置換術を行っています。手術アプローチ、インプラントの種類、骨移植などを使い分け、症例ごとにより適した人工股関節手術を目指しています。大腿骨頭壊死症に対しては人工関節手術以外に、病型と病期に応じて関節温存手術(骨切り術など)を選択しています。
専門外来は、火曜日、金曜日の午前中に関節外科外来を、水曜日午前にはリウマチ外来を、金曜日午後には小児股関節外来を行っています。

当グループでは、変形股関節症や大腿骨頭壊死症、関節リウマチを中心とする股関節疾患の診療(手術、リハビリテーション、薬物療法など)、変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術、大腿骨近位部骨折や人工股関節周囲骨折など股関節周囲の外傷を担当しています。また、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)や大腿骨頭すべり症など小児股関節疾患についても診療しています。


股関節について

股関節は体重を支える大きな関節であり、人が立って歩くときに最も重要な関節のひとつです。股関節が悪い場合の主な症状は、歩いたときの脚の付け根の痛みです。また、おしり、太もも、膝の痛みを訴えることも少なくありません。症状が進み関節に変形が生じると関節の動きが制限され、靴下をはく、足の爪切り、正座、しゃがみ込みなどの日常動作が難しくなります。

代表的な股関節の病気について説明します。


変形性股関節症

〈原因・病態〉
変形性股関節症は、はじめに関節軟骨がすり減り始め、最終的には骨の変形をきたす病気です。日本では原因がはっきりしない一次性(特発性)股関節症は15%と少なく、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)、寛骨臼蓋形成不全、外傷などが原因で生じる二次性股関節症が約80%を占めています

〈診断〉
単純X線にて診断しますが、必要に応じてCTやMRIなどの精査が必要です。

〈治療〉
保存治療としては、体重のコントロール、杖の使用、股関節周囲の筋力強化訓練などがおこなわれます。痛みが強い場合に消炎鎮痛薬が有効ですが、消炎鎮痛薬を内服して無理をすれば軟骨の破壊は進みます。
手術治療では、股関節の状態により寛骨臼または大腿骨の骨切り術を行う場合がありますが、変形が高度な場合には人工股関節置換術を行います。人工股関節置換術には、当科では術前のCT画像を用いた3次元術前計画ソフトを使用し、手術計画を行っております。また仰臥位での外側アプローチという、股関節周囲の筋肉や腱を温存できる展開方法を主に選択しており、入院は2週間ほどで、術後の生活には特に制限はありません。


関節グループ
術前(左)と人工股関節全置換術後(右)の単純X線


関節グループ
手術にて摘出した大腿骨頭
荷重部分の関節軟骨がなくなり、軟骨下骨がむき出しになっています(矢印)


関節グループ
3次元術前計画ソフトでの手術計画


関節グループ
寛骨臼形成不全症(左)に対する寛骨臼回転骨切り術後(右)の単純X線


関節グループ
術前CT画像を用いた術中CTナビゲーションシステムを使用しています


関節グループ
3Dプリンターを使用した、3Dモデルも使用し綿密に骨切り部の計画を行います。


大腿骨頭壊死症

〈原因・病態〉
股関節の一部である大腿骨の骨頭部分の骨が壊死してしまう病気を大腿骨頭壊死症といいます。お酒をたくさん飲む人やステロイドという薬を大量に内服している人ではリスクが高いといわれていますが、その機序はまだわかっていません。本邦では難病に指定されています。壊死した骨頭はだんだん崩れてしまい、大腿骨頭の変形が生じます。

〈診断〉
単純X線やMRIにて診断されます。特に、MRIは早期診断に有用です。必要に応じてCTや骨シンチを行うことがあります。

〈治療〉
保存治療では、体重のコントロールや杖を使用することで、活動性を制限します。病気の範囲が広く、体重のかかる場所である場合は、保存治療の適応はほとんどありません。
手術治療では、病気の範囲が狭く大腿骨頭の変形が強くない場合は大腿骨骨切り術が考慮されますが、病気の範囲が広く、変形がつよい場合には人工骨頭置換術や人工股関節置換術が必要となります。


発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)

〈原因・病態〉
周産期や出生後の発育過程で脱臼が生じることがわかってきたため、最近では先天性股関節脱臼というより発育性股関節形成不全と呼ばれるようになりました。脚を伸ばした位置でオムツをするなどの間違った育児習慣によって、赤ちゃんの股関節が外れていくことが多いと言われています。以前は出生数の2%前後の発生率でしたが、近年はその約1/10 に減少しています。

〈診断〉
乳児診断では股関節の開きが悪い(開排制限)、大腿のシワが非対称、脚の短縮がみられる場合には異常を疑い、X線検査やエコー検査にて画像診断を行います。

〈治療〉
乳児期に発見された場合、リーメンビューゲルと呼ばれるひも型の装具療法を行います。この装具で80%前後が整復されますが、もし整復が得られない場合は、オーバーヘッド・トラクションといわれる牽引療法が行われます。牽引療法でも整復されなかった場合は手術を要することになります。
装具療法、牽引療法または手術治療にて整復が得られたら、その後の成長を定期的に経過観察いたします。もし、臼蓋形成不全など残存した場合、骨盤骨切り術などのいわゆる補正手術を行います。


関節グループ
リーメンビューゲル装具を装着しています。
下肢を伸展させようとする力が脱臼を整復する力として働きます。


関節グループ
歩行開始後に発見された幼児の股関節脱臼に対する観血的整復術と骨盤骨切り術


手術実績

2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014
骨接合術 下肢 33 30 24 34 31 18 29 15 27
人工股関節(THA) 57 42 52 70 63 55 47 38 36
関節形成術(RAO等) 7 2 2 2 2 3 2 4 0
人工骨頭置換術   16 10 18 11 21 12 8 8
人工膝関節置換術(TKA・UKA) 23 29 36 16 21 18 19 9 23

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