教授から学生、研修医へのメッセージ
Generalist そして Expert を目指して
整形外科は全身の運動器を対象とする診療科です。その対象疾患は、骨折などの外傷と、変形性関節症といった慢性疾患とに大別されます。一般救急においては、内科的疾患と整形外科的外傷が多数を占めるため、整形外科は必須の診療科です。また、慢性疾患においても、脊椎疾患、関節疾患、腫瘍性疾患、先天性疾患などその範囲は多岐にわたり、小児から高齢者まですべての年齢の方を対象としています。
このように守備範囲が広い診療科であるため、一般外来においては外傷から様々な疾患に対応できる整形外科のgeneralistが求められています。弘前大学整形外科では関連病院と連携して、研修終了時には全ての医師が、整形外科全般を診療できるうる力量が持てるような指導を行っております。日本整形外科学会では卒後6年目に受験資格が得られる専門医制度がありますが、当教室では昭和58年卒の整形外科医が最初に受験して以来、現在まで約200名が受験しそのほとんどが合格しています。当教室における卒後研修教育がいかにバランスよく行われているかを示していると思います。
Generalistが必要とされる一方で、時代は専門性も求めています。臨床家として特定の分野に凝り固まることは良くありません。しかし、患者さんの側からすると誰でもその道のexpertに治療して欲しいと思うのは当然です。当教室ではこのexpertを目指して、整形外科専門医取得後に更なる研鑽を積める環境も提供しています。県内外の関連病院には、脊椎手術や人工関節置換術において全国的にも著名な病院が幾つかあります。また、当教室および関連病院のドクターは、スポーツ医学の分野において、全国的にも活躍しています。 地方にある青森県内で初期研修や後期研修を行うことに抵抗があるかもしれません。しかし、地方であるからこそ多数の症例や様々な疾患を早い段階で経験することが可能です。それは中央の病院と比べてなんの遜色もありません。むしろ、やりがいということから考えると若きドクターにかかる期待は大きいはずです。さらに弘前大学整形外科学教室では、広い視野を持ったドクターの育成、また研究活動の推進のために、国内の専門病院に国内留学したり、海外の大学に留学したりする機会を積極的に与えています。
少しでも興味を持たれたならば、気軽に弘前大学整形外科学教室に見学に来てください。我々と共に整形外科学を勉強しましょう。
整形外科教授 石橋恭之