受賞・表彰

第21回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会 最優秀口演賞受賞報告

弘前大学大学院医学研究科 整形外科学講座
大学院4年 新戸部 陽士郎

 この度、2018年11月29日から30日に東京都港区で行われました第21回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会において、最優秀口演賞を受賞しましたので御報告申し上げます。この賞は、一般演題の中から抄録査読において12演題が候補としてノミネートされ、学会当日に投票権のある世話人の先生方が講演の内容を評価・点数化し最終的に1名が選出されます。他の候補の演題は術後10年以上の長期成績や、375例を対象とした術後成績の検討など大変貴重な報告ばかりだったので、選ばれたときは大変驚きました。
 私の演題名は「Balloon kyphoplasty後の続発性椎体骨折に対するテリパラチド製剤の有用性-連日投与製剤と週1回投与製剤の比較検討-」でした。Balloon kyphoplasty (BKP)は骨粗鬆症性椎体骨折に対して行われる手術で、その有効性は世界中で認められていますが、術後早期の続発性椎体骨折が課題でした。目的はその予防効果について、連日投与製剤テリパラチド製剤 (Daily TP)、週1回投与製剤テリパラチド 製剤 (Weekly TP)、ビスホスホネート製剤 (BP)で比較検討することでした。対象は 高岡整志会病院で2011年から2017年に BKP を行った162例としました。
 結果ですが、続発性椎体骨折の発生率はDaily TP投与群が他の薬剤を投与した群よりも低い事がわかりました。術後早期(術後6ヶ月以内)、骨密度低値(術前YAM値50%以下)における検討でもDaily TPの予防効果が高い結果となりました。本研究の結果からBKP術後の続発性椎体骨折の予防のためにはDaily TPの投与が望ましいことが示唆されました。本研究は脊椎の骨折においてDaily TPとWeekly TPを比較した初めての報告でした。
 今回の賞はBKPが本邦で保険適応となってから精力的に行って頂いた中野恵介先生のお陰様で受賞する事ができました。ここに深謝申し上げます。そしてご指導下さった川岸利光院長、澤田利匡先生、田中利弘先生を中心とした高岡整志会病院のスタッフの皆様、 石橋恭之教授をはじめとする整形外科学講座のスタッフの皆様に深く感謝申し上げます。


第21回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会 最優秀口演賞受賞報告

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