受賞・表彰

第49回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会 優秀ポスター賞受賞報告

弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座
骨・軟部腫瘍グループ 大鹿 周佐

 このたび、2016年7月14日から15日に東京ドームホテルで行われた第49回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会において、優秀ポスター賞を受賞致しましたので御報告申し上げます。この賞は、優秀ポスター賞応募者の中から、抄録査読において22演題が候補としてノミネートされ、学会当日に審査員の先生方がポスターの内容を評価・点数化し4名が受賞されるものです。私以外の21演題は、症例数豊富な大規模調査、遺伝子を解析した臨床的・基礎的研究、工学的手法を応用した研究などアカデミックな内容ばかりで、とうてい私の地味な発表は選ばれないだろうと考えておりましたので、受賞を知ったときは本当に驚きました。
 私の演題名は、「人工補填材を用いてnon-rigidな胸壁再建を行った骨・軟部肉腫の治療成績」です。骨性胸郭の切除後に、人工補填材(e-PTFE patchやMarlex meshを使用)を用いてnon-rigidな胸壁再建を行った肉腫症例の成績をまとめた臨床研究です。対象は1989年から現在に至るまでの17例であり、当科の症例だけでなく、骨・軟部腫瘍外科の私の師匠である柿崎寛先生が国立弘前病院で治療した症例や、弘前大学呼吸器外科の対馬敬夫先生が治療した症例も含めました。結果ですが、腫瘍径が大きいと手術侵襲が大きくなり入院期間が増えるものの、急性期の重篤な合併症を生じた症例はなく、すばらしい手術成績でした。5年全生存率は60.4%であり、過去の報告と同等でした。単変量解析による予後因子の検討では、腫瘍径が大きいと局所再発や遠隔転移に繋がり予後不良となることが示唆されました。症例数が少ないものの、千葉大輔先生が熱心に統計解析をしてくれたことに感謝しております。最終的に、人工補填材を用いたnon-rigidな胸壁再建術は有用な方法であると結論しました。
 先輩方のすばらしい治療成績があってこその受賞であり、本発表の機会を得ましたことを誠に光栄に存じます。今後も、医療の進歩に繋がる診療と研究を心がけて、日々精進していきたいと思います。最後になりますが、ご指導下さった石橋恭之教授、柳澤道朗准教授をはじめ関係者の皆様に深く感謝申しあげます。


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