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留学寄稿

留学寄稿 陳 俊輔

留学先 University of Miami, Miami Project to Cure Paralysis

 平成28年4月より1年間の海外留学する機会を頂き、米国フロリダ州にあるUniversity of MiamiのMiami Project to Cure Paralysisに参加しました。Miamiはフロリダ半島の南東端に位置し、日本の沖縄より南へ、私の母国である台湾とほぼ同じ緯度です。年中平均気温が20℃以上で、一年のほとんどが晴れている感じです。夏は南国出身の私にも悲鳴をあげるくらいの暑さで、冬は避寒地として、全米から人々が集まります。高級ホテルやレストランが立ち並ぶMiami beachは世界的に有名で、昼も夜も賑わっています。
 アメリカは車社会であり、Miamiでも車無しでは生活が成り立ちません。Miamiの車事情に関しての感想は、とにかく車の数が多いと感じたことです。また、車の運転が荒いので、渋滞でない時はとにかくみなさん高スピードで運転されております。積極的に車線を変更するので、ウィンカーなんて存在しないといっても過言ではありません。恐らく台湾の交通事情はMiamiと似ているので、なんと台湾の運転免許証を持っている場合は試験なしで書類審査と視力検査だけで運転免許証の交換が出来ます。ここで、初めて台湾の運転免許証のメリットを感じました。
 Miami projectは脳・脊髄・末梢神経などの神経再生医療に関する世界有数のリサーチセンターであり、世界中から医師や研究者が集まっています。近年、当講座よりこのProjectで脊髄損傷に関する再生医療研究を希望する医師が続出しています。今回、私はこのProjectでは末梢神経損傷後の神経欠損に対する新規治療法として、Schwann cells移植と結合する新しい人工神経チューブ開発を行いました。留学前に全く神経再生医療の経験がなく、実験進行には苦労しましたが、各部門の先生方とスタッフ達の協力を頂き、とても有意義な研究生活を過ごしました。
 今回、研究だけではなく留学生活そのものも含めて貴重な経験であります。東北のプロ野球チームといえば楽天Golden Eaglesですが、球団の本拠地は宮城県にあり、青森から球場まで足を運ぶのは容易ではありません。Miamiでは、現在、Marlinsにメジャー通算3000本安打の偉業を達成したイチロー選手、そして台湾出身で元中日Dragonsに所属していたWei-Yin Chen選手が活躍しています。自宅からMarlinsの球場まで車で約15分の比較的近い距離で、野球シーズン中に何回か家族をつれて野球観賞をしました。やっぱり野球は生で観るのが楽しいと実感しました。また、小学校3年生の息子も現地校に入学しました。最初、英語のほとんど出来ない彼がうまくやっていけるのかなど、不安は尽きませんでしたが、短時間で彼の英語力の上達したことにびっくりしました。改めて子供の語学に対する学習能力の高さを認識しました。
 初めてのアメリカ生活で、自分自身や家族を見つめる貴重な機会となりました。楽しいこともあり、苦労したこともありましたが、家族の支えがあって何とか乗り切ることができました。留学当初から同行してくれた家族には非常に感謝しております。また、米国の基礎研究・臨床に触れることができた経験は今後の私にとって大きな糧となることと思います。最後に、海外留学を支援してくださいました石橋恭之教授をはじめとする弘前大学整形外科教室の皆様、整志会の川岸利光会長をはじめ会員の先生方、植山和正先生をはじめとする青森県脊椎懇話会の皆様に心より感謝を申し上げます。

留学寄稿 浅利 享


留学寄稿 浅利 享


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