お知らせ

「弘前市野球肘予防教室」報告


 昨年に引き続き11月10日~11日にかけて当科と青森県スポーツドクターの会、弘前市の共催で弘前市野球肘予防教室(会場:弘前市運動公園陸上競技場)を開催しました。初日にチーム指導者・選手保護者、医療従事者に対する投球指導講習会、2日目は選手を対象とした肘の超音波検診を行いました。
 投球指導講習会では私、前田が「学童期投球障害の特徴と問題点」のタイトルで、学童期スポーツ障害の原因と野球肘の詳細について講義を行いました。また、平成27年に日本整形外科学会と運動器の健康・日本協会が小学生野球選手・指導者(硬式・軟式)に対して行った全国アンケート調査結果を元に、現在の問題点とその対応についても説明しました。その後、昨年まで福岡ソフトバンクホークスのトレーナー・コンディショニング総括としてプロ野球選手の指導をしていた、サクハルコンディショニングパークの佐々木理博先生が講義を行いました。佐々木先生には小中学生に必要なトレーニングやストレッチングについて実演を交えながら分かりやすく説明していただきました。休憩を挟み、弘前リトルシニアの選手に協力していただき佐々木先生と一緒にウォーミングアップの実演を行いました。最後に弘前市役所 文化スポーツ振興課 今関勝氏(元プロ野球選手)から投球動作の指導方法について基礎から応用まで実演していただきました。参加者はストレッチングやトレーニングのポイント、投球動作の指導方法について活発なディスカッションを行っていました。
 2日目は小中学生162名が参加して肘の超音波検診を行いました。昨年は140名の参加でしたので、弘前地区に野球肘検診が浸透し多くの選手に参加していただけたものと考えています。超音波検診の前には私と佐々木先生から選手・指導者・保護者に対して野球肘と肘検診に関する講義、ウォーミングアップとクーリングダウンのポイントについての講義を行いました。超音波検診では離断性骨軟骨炎(OCD)疑いの選手が7名見つかりました。担当した整形外科医より選手・指導者・保護者に病院での検査について説明し、紹介状を渡しました。中には病院での検査を勧められて動揺する選手がいましたが、今関氏にはOCD疑い選手のメンタル面のサポートも行って頂きました。
 5回目となった弘前市での野球肘検診も指導者・保護者にその重要性が広まり、多くの選手に参加してもらえるようになりました。検診には多くのスタッフが必要となりますが、青森県理学療法士会、青森県作業療法士会、青森県アスレティックトレーナーの会、弘前大学医学部保健学科学生に協力していただき十分なスタッフを確保することができました。この場をかりて御礼申し上げます。選手生命を脅かす肘OCDを早期に発見し、選手は手術を受けることなく野球を楽しんでもらえるように来年度以降も活動を続けていきたいと思います。



佐々木先生によるウォーミングアップの実演

今関氏による投球指導方法の実演

野球肘検診会場

野球肘検診会場

青森労災病院 整形外科 前田 周吾



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