当教室の沿革

佐竹 逸郎 先生

昭和22年3月~昭和24年4月

 昭和22年3月31日に東北大学医学部整形外科学教室より佐竹逸郎先生が青森医専に赴任し、整形外科学教室開設に尽力された。


諸富 武文 教授

昭和27年5月~昭和33年11月

 昭和27年5月に諸富武文教授が九州大学医学部整形外科学教室より赴任され、弘前大学整形外科学教室が開設された。諸富武文教授は故神中正一九大教授に師事した生粋の整形外科医であった。
 諸富教授は、火傷瘢痕拘縮の治療に関する基礎的、臨床的研究を行った。特に手の火傷後の癒痕性拘縮に対し、適切な植皮術につき数多くの基礎的問題の解明と工夫とが行われた。その中でも「穿刺全層遊離皮膚移植」と称し移植皮膚片に穿刺を行い、浸出液で皮膚片の浮き上がりを防ぐ手技や又どの程度の圧迫が適当かなど、ウサギでの実験が行われていた。臨床的には術後の手指の運動及び知覚について多くの知見が得られ、後の手の外科研究の発端となった。次に腰痛、特に筋膜性腰痛の病態の解明に尽力され、その解剖学的研究、病態生理学的研究、筋電図学的研究は当時の腰痛症の考え方に一つの新しいカテゴリーを確立した。また先天性股関節脱臼に対して、診断方法として諸富式複合角撮影法を中心とした研究があり、また治療に関する研究にも尽力された。その後、昭和33年に京都府立医科大学整形外科教授に選出され同年11月に退官された。


東野 修治 教授

昭和34年5月~昭和61年1月

 昭和34年5月に日本大学医学部助教授であった東野修治先生(東京帝国大学卒)が当講座の教授に就任された。
 東野教授は数多くの独創的な研究を行なった。特に筋電図学的研究、脊髄や脊髄の血行に関する研究及び脊髄誘発電位に関する研究では、国内外の学会に論文を発表し、脊髄及び脊髄疾患の病態解明と治療の発展に大きく寄与されている。また、弘前大学医学部が世界に先駆けて実現したX線回転横断撮影法を活用した脊髄・股関節・足関節・下腿の捻れに関する研究は、現在一般的な方法であるコンピューター断層撮影(CT)検査法出現前の研究として、世界的にもユニークで有名な研究の一つであった。更に、小児整形外科に関する研究にも早くから着手しており、昭和38年には、先天性下腿偽関節の手術法を発表し、昭和43年には先天性股関節脱臼に関して、臼蓋の独創的な形成術を発表するなど、小児整形外科学における先駆的な研究成果をあげられた。また、肢体不自由児療養施設の充実に積極的に取り組まれた。
 東野教授は弘前大学医学部長を4期務めた後、昭和61年2月より弘前大学長を2期務め、弘前大学の国際化に尽力された。その後、平成10年秋の叙勲において勲二等旭日重光章を受章された。


原田 征行 教授

昭和61年11月~平成13年3月

 昭和61年11月に原田征行先生が弘前大学医学部卒として初めて当講座の教授に就任された。
 原田教授は、回転横断撮影法を脊髄領域に応用し、CTが出現するまでの脊髄の画像診断の主流として学会をリードした。教授就任以降は靭帯骨化の病態解明をメインテーマとされ、同氏の指導により多くの研究がなされ、疫学調査、分子生物学的アプローチによる骨化機序の解明、疾患感受性遺伝子の解明など多くの業績を上げられた。また、原田教授が開発した人工骨を用いた頚椎手術法は、本邦のみならず海外にも普及し、広く行われる術式となった。さらに、スポーツ医学に関する研究にも早くから着手し、多くの業績を上げられた。
 学会活動では、多くの学会および研究会の会長を務められたが、平成14年10月には第17回日本整形外科学会基礎学術集会の会長の重責を全うされた。
 平成11年4月から同13年3月まで弘前大学医学部附属病院長を併任し、同13年3月に退官し、平成13年4月から同19年3月まで青森県立中央病院長を勤められた。


藤 哲 教授

平成14年2月~平成24年3月

 平成14年2月に藤哲先生が教授に就任された。
 研究においては、病態薬理学講座や社会医学講座との共同研究を発展させ、手の外科、脊椎、スポーツの各グループにおいて多種多様なテーマの研究を指導され、多くの学位論文作成者を輩出している。手の外科領域においては、骨延長における仮骨成熟促進因子の開発および弘前大学理工学部との共同研究による着脱式微小血管拍動センサーの開発に尽力された。
 藤教授は手外科・およびマイクロサージャリーを専門とされ、手指再接着(昭和54年)、足指移植(昭和55年)、血管柄付き皮弁移植(昭和55年)、血管柄付き骨移植(昭和56年)など、当教室において初めてとなる手術を多々行い、さらには血管柄付き腓骨を2分して移植する方法(double barrel vascularized fibula graft)、大腿骨頭壊死症への血管柄付き腸骨移植の応用、神経付き皮弁などの当科独自の手術も開発された。さらには教室の枠を越えた技術援助として他科の再建手術に参加され、耳鼻咽喉科・口腔外科・消化器外科での頭頚部再建・食道再建、さらには生体肝移植へも手術協力をされていた。また舟状骨骨折に対する経皮的スクリュー固定を世界に先駆けて報告され、現在ではこの方法は新鮮例に対する標準手術になっている。
 弘前大学医学部附属病院長(専任制)に選出されたことに伴い、教授として任期を2年残し平成24年3月に退官された。


石橋 恭之 教授

平成 24 年12月~

 平成24年12月に石橋恭之先生が当講座の教授として就任された。石橋教授は膝関節を中心とした鏡視下手術が専門であるが、当講座は現在、スポーツ整形外科、脊椎外科、関節外科、手外科、骨軟部腫瘍と5つの専門グループに分かれて診療、研究に取り組んでいる。
 石橋教授体制の講座概要と研究状況は別に詳しく述べさせて頂くが、教授ご自身も、基礎研究面では、ライフワークである膝前十字靱帯損傷・再建術・再生に関する研究を国内外の研究者とともに推進している。臨床面では、自らスポーツ整形・関節外科医として手術に携わり、ナビゲーションを用いた膝前十字靱帯再建術では、わが国のオピニオンリーダーとなった。
 石橋教授は、臨床力・科学的思考力の優れた若手整形外科医の育成に力を注ぎ、国内外での研修を積極的に推進している。また"地域に貢献しつつ弘前から世界に発信していく"ことを目標に、県内関連病院と連携した多施設研究にも積極的に取り組み、運動器疾患の基礎的研究・臨床研究を推進させている。
 平成30年8月には第31回日本創外固定・骨延長学会と第20回日独整形災害外科学会を主催され、2020年6月にはJOSKAS(日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)とJOSSM(日本整形外科スポーツ医学会)のcombined meetingの会長として主催が決まっている。


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