受賞・表彰

第38回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 優秀演題賞受賞報告


弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座 整形外科学講座
大学院 2年 武田温

 この度、2017年2月4日に宮城県仙台市で行われました第38回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会において、臨床部門の優秀演題賞を受賞しましたので報告申し上げます。これは投票権のある世話人の投票によって決定され、基礎と臨床のそれぞれの部門から選出されます。
 私の演題は「閉経後女性の腰椎椎体骨折とホルモンの関連」でした。いわき健康増進プロジェクト参加者のうち、2010年と2015年の両方で腰椎X線写真の側面像が評価できた閉経後女性を対象としました。5年間で新たに骨折を生じた者の危険因子を調査し、2015年に測定していた様々なホルモンと骨折の関連を調べることが目的でした。
 2010年と2015年のX線写真を比較し、新たに腰椎椎体骨折を発生した者を骨折群とし、それ以外を非骨折群とし、ベースラインの年齢、身長、体重、閉経後年数を群間で比較しました。また、2015年に施行した血液検査のアルドステロン濃度、コルチゾール、ACTH、DHEA、ビタミンD、intact PTH、橈骨遠位の骨密度を群間で比較、ロジスティック回帰分析を行いました。除外基準として、データの欠損、リウマチの治療歴、副腎皮質ステロイドの使用、甲状腺機能亢進症、スピロノラクトン内服とし、223名が対象となりました。
 結果ですが、ベースラインの年齢、閉経後年数は有意に骨折群が高い値となりました。採血項目ではDHEA、アルドステロン濃度が骨折群で有意に低い結果となりました。橈骨遠位骨密度も骨折群で低い結果となりました。ロジスティック回帰分析でもアルドステロン低値は有意な結果となり、モデルに骨密度も含まれていたことから、アルドステロンの低値は骨密度と独立して、骨折と関連していました。
 過去の研究ではアルドステロン症やステロイド性骨粗鬆症において、mineralocorticoid receptorを介して抗アルドステロン薬は骨折や骨密度の低下を予防できることは報告されています。また、同じ受容体を介してアルドステロンは骨芽細胞の分化を促すことも知られています。詳細な機序はまだ不明ですが、アルドステロンも骨代謝と関連しており、過剰な場合も、不足している場合も骨折の危険因子である可能性が示唆されました。
 今回の受賞にあたり、研究の指導や調査の御協力を頂いた石橋教授を中心とする整形外科学講座のスタッフの皆様、岩木健康増進プロジェクトを主催する中路教授や高橋准教授を中心とした社会医学講座のスタッフの皆様をはじめとした関係者の皆様に深く感謝申し上げます。


第38回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 優秀演題賞受賞報告



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